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強く語りかけてくる 大人の幻想ストーリーテリング絵画

スーパームーン皆既月食 明石市立天文科学館からオンライン中継

赤松玉女 まなざしのものがたり/A Story of Looking
尼崎総合文化センター(アルカイックホール)
5月15日(土)~ 6月13日(日)

赤松玉女が創作活動を始めた1980年代には、不思議な世界観を持った絵本のような幻想的ストーリー性あふれる人物、生物がその作品の中に蠢いていた。作中にどれだけの生き物たちが存在するのかを探索するのも楽しみだった。主役となっている人物は極めて個性が強く、独特のライフスタイル、生き様を映し出していた。その後、イタリアへ渡り帰国後からは人物のポートレイトの主眼が置かれるようになったが、その人物たちの存在感の際立ち方には、思わず絵の前に立ち止まってしまい、その人の人生を創造してしまう魅力があふれていた。ICONOVOGUE(正確な和訳は示されていないが多分”流行雑誌の象徴”だろうか)という女性主体のファッション性豊かなポートレイトシリーズに描かれた女性たちは、本当にエエ女ばかりで、見とれて動けなくなる。そして締めくくりのParallel Stories シリーズでは一転、心の奥底に沈み込んでいる逃れようのない畏れ恐怖が強烈なインパクトを持って襲いかかってくるのだ。
今回の展覧では、一連の活動を四つに分けたストーリー的展覧に構成されている。深く心打たれる展覧だ。

赤松玉女
1959年兵庫県尼崎市生まれ、京都市在住。1984年に京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程修了。油彩、水彩、フレスコ技法等、画材や技法を組み合わせた絵画表現の可能性を研究。イタリアでの創作活動等を経て1993年度に母校の油画専攻教員に着任。2018年度から美術学部長、2019年度から学長を務める。

赤松玉女 まなざしのものがたり/A Story of Look
尼崎総合文化センター(アルカイックホール)
尼崎市昭和通2丁目7-16
2021年5月15日(土)~ 6月13日(日)
10:00~17:00(入館は16:30まで)
火曜休館
5階 美術ホール
一般600円/シニア・大学生500円/高校生以下無料
※障害者手帳等をお持ちの方は半額、その介助者の方は1名無料
06(6487)0806