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ファッショントレンド図鑑

fashion trend book

神戸オリジナルファッション

1973年にファッション都市宣言を打ち出した神戸市、それに呼応するようにニットを中心としたアパレルメーカーが現れた。
80年代に入る頃、20代の若いオーナーたちが自ら作り上げる個性的なオリジナルブランド(マンションメーカーとも呼ばれた)を立ち上げ始めた。

❶プライベートメニューのセットアップ。ソフトコンシャスなシルエット、上質素材にリボンや金ボタンをアクセントにしたエレガントなデザイン。(SAVVY 1986年4月号 モデル/八木真理) ❷ボビーズのショップがトアロードにオープンしたのは81年。 ❸ボビーズのカタログ(撮影/藤原保之) ❹モンテ・オヴェストのハートやリボン、月や星、動物などのモチーフを刺しゅうやアップリケで取り入れたかわいらしさは、それまでのスポーツブランドにはなかった ❺ぎゃるそんぬの独特な色合いの荒ゲージニット ❻IVY好きなら誰もがお世話になったMACと大学のコラボ・トレーナー ❼1903年創業の”セリザワ”の創業者が着用していたシルクジャージーのワンピース。 ❽大きな襟がポイントのプライベートメニューのワンピース ❾●芦屋で超人気店だったイショナルのHERHISブランド、レザーのプリーツスカート (提供/林 行雄 撮影/川瀬典子 モデル/田中美香) 。

アメカジ

アメカジが他都市より早く神戸に根付いたのは、それまでに浸透していたサープラス(米軍払い下げ)物の存在が大きい。そこからいち早く流行に発展させたのは高架下を中心とした若いオーナーたち。神戸でしか手に入らないと日本中からファンが殺到した。

❶70’-80年代アリカで使われていたワッペン。 ❷フランス軍のミリタリーシャツを自身でリメイクしたもの(提供/野津克地さん) ❸バラクーダのスイングトップも定番 ❹米軍のフライトジャケットMA1の80年代モデル。黒やカーキ色がポピュラーだったがこんなダークレッドも。 ❺〝Gジャン”はリーバイスのGパンとともにアメリカン・スタイルを象徴するアイテムだった。

ニュートラ

元は神戸のブティックが上品なスタイルを若い女性向けにアレンジしたのが、神戸のお嬢様ファッションとして受け入れられていた。トレンドとしてニュートラッドの流れに引き込まれた格好だが、最も神戸らしいエレフガントな女性ファッションと言える。

❶神戸トラッドの日常光景(神戸からの手紙1979年12月号)リボンやボータイ付きのブラウスにスカート、ブランドロゴの付いたベルトがニュートラ・スタイルの定番。 ❷大判のスカーフは肩に掛けて結び、小さなサイズはアスコットタイのように巻いた。
❸太めのヒールのパンプスを合わせた。セットアップには細め、パンツには太めのベルトでウエストマーク。(提供ベルト、靴/春名泰子さん) ❹長めのストラップの付いたブランドバッグを斜めがけ、というスタイルもよく見られた。(提供/川村由紀栄さん)
❺レノマのバッグ (提供/山田昌代さん)

インポートファッション

1970年ごろの第1次ブームに始まり(当時は舶来品と言われた)、第2次第3次と大ブームが起こっている。80年代前半はヨーロッパの伝統的ブランド、後半は日本国内はもとより世界中で星のごとく輝いたデザイナーたちのファッションが世の中を席巻した。

❶ベニヤ、エーワン商事のスーツに合わせたローズガーデン「カズコヒラタ」の帽子(神戸からの手紙1983年8月号モデル/守山知子)。 ❷「お弁当箱」と呼ばれていたクレージュのバッグ。巾着型も人気があった。 ❸高校生にまで浸透していたルイ・ヴィトンのモノグラム・バッグ(提供/春名泰子さん) ❹ ボディコンシャスの代表格、ロメオ・ジッリのワンピース(提供/高橋ひとみさん)  ❺エミリオ・プッチのジャケット&スカート、サンダル(提供/藤原雅美さん)
❻BLOCK30エンポリオアルマーニのニット&シルクトラウザーズ(SAVVY1989年3月号)

スポーティ(サーファー・マリン・テニス)

テニス、スキーなどの海外スポーツメーカーのロゴ入りデザインがタウンウエアとして大流行。また、陸サーファーって言葉が流行るくらいのサーフィンブームの影響もあり、スポーツウエアのファッション化が一気に進化。

❶アディダス往年の名作、スタンスミスの73年に発売されたファーストモデル(提供/春名泰子さん) ❷JIBのバッグは今なお健在。(提供/井上加奈子さん) ❸マリン系スタイルはどの時代も船や海好きの多い神戸の定番(神戸からの手紙 1981年7月号 モデル/原正子)  ❹大学生の間でテニスやスキーブランドが大ブーム。(神戸からの手紙 1982年6月号 モデル/守山知子) ❺スポーツファッションブームでスニーカー専門店も登場 (アスリートフット三宮) ❻ボーダーにパーカーも大流行り(ヘンスフォース)

デザイナーブランド

インポート嵐のまっただ中、ヨーロッパのコレクション情報が飛び交い、数えきれないデザイナーブランドが上陸し、北野町や居留地にオンリーショップが誕生。

❶エスニックな柄が新鮮なセンスを放っていたマリテ・エ・フランソワ・ジルボー。 ❷アントワープ系にも注目、ドリス・ヴァン・ノッテンのニット。 ❸明るいポップ系統は一部ウケかウォルターのニットパーカー ❹コム・デ・ギャルソンのワンピース(提供/楢崎かず美さん) ❺シャープな装飾性が異彩を放つゴルティエ ❻アニエス・ベーのセットアップ(SAVVY 1989年12月号) ❼1979年、ヴィヴィアン・ウエストウッドがパートナーのマルコム・マクラーレンと共に起ち上げた初期のブランド、ワールズ・エンドのニット(提供/藤本武志さん)

DCブランド

日本のデザイナーたちも華々しく活躍、世界に飛び出して行った。そのデザイナーブランドより価格の安いディフージョン、キャラクターブランドの登場で、若者たちが競ってブランドロゴ入り紙袋で街を闊歩した。

❶三宮サンプラザ1Fの超人気店アルフィー布バッグ。ビギ系ブランドの神戸直営店のはしり (提供/澤坂祐二さん) ❷ビギやメルローズは憧れのブランドだった(提供/前田博美さん) ❸80年代の神戸、ちょっとしたピンクハウス・ブームも到来(神戸からの手紙1983年10月号 モデル/世良理夜子)。 ❹コムサデモード(神戸からの手紙1983年5月号 モデル/藤村ゆき)。 ❺ハウスマヌカンの着るMOGA(SAVVY1986年3月号 モデル/伊東敬子)。 ❻デザイナー松田光弘のニコルのセーター。